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料理家栁川かおりさんがおすすめする台湾三大烏龍茶

今日からはじめる台湾茶のある暮らし―日常を彩る良質な台湾茶

近年注目されている「台湾茶」とは?

烏龍茶が多数を占め、発酵や銘柄も様々な台湾茶

台湾茶と聞いても、どのようなお茶なのかピンと来る方は少ないかもしれませんね。しかし「凍頂烏龍茶」「東方美人茶」と聞くと「知っている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他「文山包種茶」「鉄観音茶」「凍頂四季春茶」なども台湾茶の一種。
これらは全て半発酵茶、つまり烏龍茶と呼ばれるもので、実は台湾茶には烏龍茶がとても多いという特徴があります。

不発酵茶の緑茶のような爽やかさと全発酵茶の紅茶のようなコクとのバランスに優れ、食事と合わせても、そのまま飲んでも美味しい台湾烏龍茶。ただし、発酵の度合いや銘柄によって風味は全く異なり、とても種類も多いので、一言では語りつくせない奥深い世界ではあります。

お湯を注ぐと広がる茶葉と香り

もうひとつ台湾茶の特徴的なこととして、茶葉の形状が挙げられます。日本のお茶は刻まれた茶葉や粉末状になっていますが、台湾茶はフルリーフ。ぎゅっとかたく閉じた丸い実のような茶葉にお湯を注ぐと、ふわっと元の形に葉が戻り、それとともに香りも広がるのが台湾茶の醍醐味です。

標高が高いところで作られる高山烏龍茶

台湾の茶畑は全土にありますが、南北に走る山脈沿いに位置する地区で作られるお茶は高山烏龍茶と呼ばれています。阿里山地区(標高1000m~1600m)や梨山地区(標高1800m~2600m)などが有名で、その山の名前がお茶に付けられています。標高が高いほど、味も香りも良いとされており、高級品として親しまれています。

茶器や入れ方にこだわっても、自由に楽しんでも

奥深い台湾茶の世界ですが、飲み方に厳格なルールはありません。特別な道具を用意しなくても、いつも使っている急須やポット、マグカップでも十分楽しめる自由さが台湾茶にはあります。

お茶の抽出には沸騰したてのお湯を使うのが一般的です。茶器(抽出する急須やカップ類全て)はお湯であたためるとより一層おいしくいただけます。

数ある台湾茶の中でも人気の「台湾三大烏龍茶」

様々な種類がある台湾烏龍茶。中でも「台湾三大烏龍茶」と呼ばれる3つのお茶が人気です。

凍頂烏龍茶

近年の台湾茶ブームを牽引しているのが「凍頂烏龍茶」です。台湾の烏龍茶の中では発酵度が低く、さっぱりといただけるお茶。抽出されるお茶の色は薄い黄金色で花のような爽やかな風味が特徴です。

凍頂烏龍茶(ティーバッグ) 凍頂烏龍茶(リーフ)

文山包種茶

台湾北部の文山地区で作られている高山烏龍茶のひとつ。発酵度が低く日本の緑茶のようなすっきりとした味わいです。昔は紙に包んで販売されていたことから包種茶と名付けられました。

文山包種茶(ティーバッグ) 文山包種茶(リーフ)

東方美人茶

ウンカという虫に新芽をかじらせて、それを手摘みし、お茶にする「東方美人茶」。このウンカなくして東方美人茶の香りは作られないと言われており、もちろん農薬は不使用、天候などの自然の影響を強く受けることから希少性がとても高いお茶とされます。発酵度が高く、紅茶のような味わいと甘い蜂蜜のような香りが特徴です。

東方美人茶(ティーバッグ) 東方美人茶(リーフ)

毎日でも飲みやすい、台湾茶の魅力

台湾茶を飲んでみたいけど、どうやって日常に取り入れるのがよいでしょうか。料理家の栁川かおりさんに、台湾三大烏龍茶それぞれの魅力や食事との合わせ方をお聞きしました。

たとえば朝食にクロワッサンと。
一日のはじまりを少し贅沢にする「東方美人茶」

「紅茶にも似た風味で香りが高く、ちょっとリッチな気分を楽しみたいときにいいですね」と東方美人茶について語る栁川さん。バターを使った洋菓子やパンとの相性もとってもいいですよ、と教えていただきました。

「急がないといけないけれど、少し心にも余裕をあげたい朝ごはんに東方美人茶はいかがでしょう。クロワッサンと合わせるだけでも、香り高いお茶のおかげで十分リラックスできて贅沢な朝になりそう。しっかりとした香りのお茶なので、バターのしっかり入ったクロワッサンにも負けないですね」

クロワッサンとフルーツやナッツ、生ハムをお皿に盛り合わせて。それからお手製のりんごジャムも添えて東方美人茶を合わせれば、それだけですてきなモーニングセットに。「ジャムの作り方はとっても簡単。皮をむいてすりおろしたりんごとレモン果汁をすぐに合わせます。それを鍋に砂糖とともに入れて煮詰めていくのですが、そのときにお茶パックにリンゴの皮を入れて一緒に火にかけてください。きれいなピンク色のジャムになります」栁川さんおすすめのリンゴジャム。パンやヨーグルトと合わせるのにぴったりで、かわいい色がテーブルを華やかにしてくれます。

「娘は紅茶はストレートでは飲めませんが、ほんのり甘みが感じられる東方美人茶ならお砂糖なしでも美味しいと飲んでくれるんです」と、栁川さんは親子で東方美人茶を楽しんでいるよう。お菓子と東方美人茶が揃えば会話も弾む楽しいお茶会になりそうですね、ともおっしゃっていました。

お寿司やお魚料理にもぴったり。すきっと爽やかな「文山包種茶」

「このお茶を飲むと、なんとなくおばあちゃんの家を思い出すような懐かしくて優しい気分になるんです」と「文山包種茶」について語る栁川さん。「娘もおばあちゃんちのお茶みたいって言うんです。きっと緑茶と似ているからでしょうね」。

そんな文山包種茶を料理に合わせるなら「断然和食ですね!」と言い切る栁川さん。「和食を邪魔しない穏やかさが特徴だと思いました。出汁の風味やお醤油の香りとも相性がいいですね。お刺身やお寿司とも相性抜群です」

文山包種茶と合わせる魚料理なら、「酒蒸しはいかが?」と栁川さん。煮付けのように味のしっかりしたものではなく、お魚の繊細な味を引き立てる酒蒸しのような淡白な料理ともよく合う、と教えてくださいました。「酒蒸しは蒸し器を使わなくても、電子レンジで簡単に作れますよ。下処理した魚にお酒を振りかけて、ふんわりラップをしてから電子レンジで加熱してくださいね」

酒蒸しができたら、そこにきのこあんを。きのこあんは、和風だしにお好みのきのこを加えてさっと煮て、おろし生姜を加えてから水溶き片栗粉でとろみをつけます。「お皿に盛り付けるときには、ネギなどの緑を添えると美しい仕上がりになりますよ」と盛り付けのワンポイントも教えてくれた栁川さん。

栁川さんは、文山包種茶のスッキリ感は緑茶に通じるものがあります、ともおっしゃっています。「爽やかな味わいと香りは、飲むと気分も頭もスッキリさせてくれますね。仕事中や勉強中にぴったりだと思います。あたたかい文山包種茶を水筒に入れて、ランチタイムにお弁当といただくと午後からもシャキッとがんばれそうですね!」。

低発酵で私たち日本人にもなじみやすい文山包種茶。和食によく合い、気分もスッキリさせてくれるので、毎日飲むお茶として常備しておくとよさそうです。

香り良く味わい深い。
しっかりとした味の中華料理に合わせるなら「凍頂烏龍茶」

「烏龍茶は苦いもの、という先入観を持っていた私の認識を変えてくれたのが、このお茶なんです」と「凍頂烏龍茶」との出会いを教えてくれた栁川さん。友人から台湾のお土産にもらった凍頂烏龍茶を飲んでみたところ、苦味も渋みもなく、ほんのりと甘くて爽やかな味に、烏龍茶の認識が180度変わったといいます。

「凍頂烏龍茶には、やっぱり定番の中華料理が一番合いますね」と栁川さん。一口飲むとスッキリと口の中がリセットされるので、濃い目の味や辛い物、油を多く使っているものがおすすめとのこと。

「たとえば、麻婆豆腐やチャーハンに餃子、それから酢豚もいいですね」と栁川さん。「普通は、酢豚はかたまり肉で作りますが、スライス肉でも応用できますよ。火が通りやすいので作りやすいですし時短にもなります」と酢豚を作るちょっとしたワザを教えてくれました。「しっかり味付けをした酢豚には、香りがよく飲み口がさっぱりとする凍頂烏龍茶がやっぱりよく合います」。

食事中だけじゃなく、食後にもぜひ凍頂烏龍茶を、とすすめる栁川さん。その理由をうかがうと、「食後に温かい凍頂烏龍茶を飲むことでほっと一息付けて、きっと食べ過ぎの予防になるはずですよ!」とのこと。物足りないなと思ったら、凍頂烏龍茶を一口。健康を気にしている方にもおすすめですね。

気軽に楽しめる台湾茶で毎日を豊かに

栁川さんから教えていただいたように、食事中、食後、リラックスタイムなど、自分のライフスタイルに合わせて取り入れやすいのが台湾烏龍茶の魅力です。お茶の入れ方やどういうシーンで飲めばいいのかわからない方もいるかもしれませんが、まずはいつものお茶を飲むように気軽に楽しんでみてほしいです。

烏龍茶に含まれるポリフェノールには、脂肪の消化吸収を防いで体外に排出する働きがあるといわれています。利尿作用のあるカフェインも含まれており、烏龍茶を飲むことで体内の水分が更新され、美肌にも良いとされています。

健康や美肌のためだけでなく、お茶をゆっくり飲む時間そのものがきっと心身の癒しにつながるはず。台湾烏龍茶を日常に取り入れて、心身ともに豊かな生活を送ってみませんか。

料理家・栁川かおりさん

料理家であり現役医師。二児の母としてシンプルな料理をより美味しく!をモットーに、まいにち食べても飽きないような「おうちごはん」を目指す。
ゆっくりと時間が流れるようなスタイリングの世界観で多くの主婦層に圧倒的な支持を得る。